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“AWS DevOps Agentが実現する未来” | AWS Summit Japan 2026 Jr.Championsレポート

はじめまして。2026 Japan AWS Jr. Championに選ばれました北林です!

普段はAWS環境の運用保守を担当し、Security HubやAmazon GuardDutyをはじめとするセキュリティサービスの監視・調査、アラート対応などに携わっています。障害やセキュリティインシデントが発生した際には、CloudWatchのメトリクスやログ、CloudTrailのイベント、変更履歴などを確認しながら、原因と影響範囲を切り分けています。

そんな私が、AWS Summit Japan 2026で最も注目していたのがAWS DevOps Agentです。今回のSummitには、日々の運用保守をより効率化し、障害発生時の初動や調査のスピードを高めるヒントを探しに参加しました。会場では「Kiro」「Agentic AI」「Physical AI」「DevOps Agent」など、AIエージェントに関するキーワードが飛び交い、さまざまな展示やセッションが開かれていました。その中でも私は、運用保守に直結するAWS DevOps Agentのセッションや展示を見つけては、積極的に話を聞きに行きました。

実際のデモでは、API Gatewayで発生した5xxエラーを起点に、関連するログやメトリクスを調査し、根本原因、影響範囲、緩和策、復旧案を整理する様子が紹介されました。さらに、調査結果をタイムラインで確認でき、構成情報を図として把握できる点にも驚きました。AIが勝手に修正するのではなく、「AIが調査し、人が判断する」という考え方も、運用現場で活用するうえで重要なポイントです。

本記事では、AWS DevOps Agentがどのようにインシデント対応を支援するのか、運用保守を担当するエンジニアの視点から紹介します!

 

 

AWS DevOps Agentとは

AWS DevOps Agentとは、システム運用における障害対応を支援する生成AIサービスです。従来は障害が起きると、運用担当者はアラート、ログ、変更履歴、手順書などを確認し、原因を探して対応方針を決めます。しかし、深夜や休日の発生、複雑なシステム構成、担当者ごとの知識差により、調査に時間がかかることがあります。

AWS DevOps Agentは、こうした情報を横断的に確認し、何が起きているのか、どこに原因がありそうか、どの範囲に影響しているかを整理します。さらに、過去の手順やチームのナレッジを活用して、緩和策や復旧案の候補を提示します。

実際に実行する判断は人が行うため、AIに任せきりにせず安全に利用しやすい点も特徴です。属人化しがちな障害調査を標準化し、初動を早め、復旧までの時間を短縮するための運用支援ツールとして活用できます。また、システム構成を図や要点としてまとめることで、関係者間の認識合わせや影響範囲の把握もスムーズにします。

このように障害対応を「人が探す」状態から「AIが整理し人が判断する」形へ変えられるサービスです。

ブース体験 「AIエージェントで変わるクラウド運用~障害対応から構成管理まで、AIが運用をもっとスマートに~」

わたしは上記のブースに足を運びました。ここでは実際に障害を起こし、AWS DevOps Agentがどのように調査をしてくれて外部サービスと連携してくれるかという一連の流れのデモをやっており、実演していただきながら話を伺いました。  

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実演でのエラー内容はAPI Gatewayでの5xxでした(画像2左下)。これを発生させた後にAWS DevOps Agentにて調査依頼をかけました(画像2右下)。そうするとAWS DevOps Agentは必要な箇所のログを調査し、根本原因を特定してくれます。

さらにはその内容をタイムラインで提示し、緩和計画や復旧案も提案してくれました。しかも、構成情報も図で作成でき、システム全体像や影響範囲を視覚的に理解できます。これを見た途端、運用メンバー間の知識量の差や、属人化したナレッジの影響を抑えながら、一定の観点で調査を進められる可能性を感じました。

画像2

 

他のサービスとの連携で初動を早める

また根本原因や緩和策などの調査結果をSlackやServiceNowへ連携できるのもポイントです。人が介入せずに障害発生のトリガーからAWS DevOps Agentが動き、調査結果をSaaSに報告してくれるわけです。よって運用担当者は従来だとネックだった初動を確実に早めることができます。またAWS DevOps Agentの設計思想は「調査はAIで判断は人」であり、勝手にAIが修正することがないのも安心できます。

そのため修正に関してはAWS DevOps Agentでは対応できないわけですが、設定によってはKiroなどのコーディングエージェントと連携でき関連するコードに落とし込むことも可能なので、そこはその案件ごとにどこまでAIやらせるかの話し合いが必要ですね。

チームのナレッジをフルに活用できる

さらに話を伺って面白いと感じたのが、AWS DevOps Agentは単に「障害時にログを見てくれるAI」ではなく、チームの運用ナレッジを取り込んで成長させられる点です。たとえば、普段使っている作業手順書、調査時の観点をあらかじめ登録しておくことで、AWS DevOps Agentが必要な場面でそれらを参照しながら調査を進めてくれます。つまり、ベテラン担当者の頭の中にあった暗黙知を、チーム全体で使える形にできるわけです。

また、リポジトリやデプロイ履歴と組み合わせることで、「障害の直前にどんな変更が入ったのか」まで追いやすくなる点もかなり魅力的でした。これまで人が複数の画面を行き来して確認していた作業を、AIがつなげて整理してくれるイメージです。障害対応だけでなく、日々の運用改善や再発防止にも活用できそうで、今後のクラウド運用の形がかなり変わりそうだなと感じました!

 

セッション: AWS DevOps Agent による自律的インシデント対応 -その能力を引き出す設計のベストプラクティス-

実は去年のAWS SummitでもAWS DevOps Agentの紹介はありました。

約1年たった今、AWS DevOps Agentは進化しています。より使いやすく、より調査しやすく、再現性が高くなりました!そんな内容が具体的な説明と実際のデモで紹介されていました。ここではAWS DevOps Agentの新たなアップデートについて紹介します。

 

最近の主要なアップデート

  1. Memories: 直近の調査結果から傾向を学び、次回調査を高速化
  2. Custom Agents: 定期レポート等の独自エージェントを実装可能に
  3. Remote Server (MCP/A2A): Kiro / Claude Code から AWS DevOps Agent を呼び出し可能に
  4. Asset API: Skill 等のアセットを API で管理可能に
  5. リージョン追加

 

「そもそも障害を起こさない」―Release Management

また、基本的にAWS DevOps Agentは障害対応の支援が中心でした。そこに、そもそも障害を起こさないためのRelease Managementという仕組みが導入され始めています。大きく特徴を2つ紹介します。これらのテストでは、専用の環境を自動的に構築したうえで検証を行い、リリース判断に必要な情報を提供します。

  • Release Readiness Review : コード変更に対して関連サービスへの影響有無や権限変更の安全性を評価してくれます。
  • Autonomous Release Testing: 変更内容に特化したテストプランを自動生成し、動作検証を行います。

このようにAWS DevOps Agentは、インシデント発生後の調査や復旧を支援するだけでなく、過去の対応知見を活用した継続的な改善や、用途に応じたエージェントの拡張にも対応するなど、実運用を意識した機能強化が進んでいます。さらに、Release Managementの導入により、リリース前に変更の影響範囲やリスクを確認し、変更内容に応じた検証まで自動化できるようになりました。これにより、障害発生時の対応力を高めるだけでなく、問題を未然に防ぎ、より安全で効率的なソフトウェアリリースを実現するための仕組みが整いつつあります!!

  

今後の展望

技術の活用で「エンジニアが本当にやるべきことに集中する」環境をつくる

Japan AWS Summit 2026を通じて強く感じたのは、AWS DevOps Agentが単に運用作業を効率化するための技術ではなく、エンジニアが本来向き合うべき課題に集中するための環境をつくる技術だということです。障害対応に追われる時間を減らすことで、原因の背景を考えたり、再発防止の仕組みを見直したりと、より本質的な改善に取り組む余地が生まれます。AIによって仕事がなくなるのではなく、人が担うべき役割の質が変わっていくのだと思います。

その変化を現場で活かすためには、AIに何を任せるのか、どの場面で人が判断するのかを見極めることが欠かせません。新しい技術を導入すること自体を目的にするのではなく、サービスの信頼性やチームの働き方をどのように高められるかを考えながら、実際の業務に落とし込んでいく姿勢が、これからのエンジニアには求められると感じています。

またこの会場で得られたものは、技術そのものだけではありません。新しい技術を前にして目を輝かせ、現場での活用方法を語り合い、次の挑戦へ踏み出していく人たちの熱量に触れられたことです。その熱量は、私自身がこれから何を学び、どのように周囲へ届けていくのかを考える大きな原動力になりました。

 

変化を恐れず学んで試していく

これからは運用に限らず、AIエージェントがエンジニアの隣でさまざまな役割を担うようになります。だからこそ、技術を使う側の私たちには、変化を恐れずに試してみること、結果を振り返って改善すること、そして得られた知見を仲間と分かち合うことが求められます。完璧な答えを待つのではなく、小さく始めて、学びながらより良い形をつくっていきたいです。

2026 Japan AWS Jr. Championに選出されたことは、ゴールではなく、発信と挑戦を本格的に始めるスタートラインです。今回の学びをきっかけに、技術ブログや勉強会で新しい発見を共有し、読者の皆さまと「次はこれを試してみよう」と思える時間をつくっていきます。私のアウトプットが誰かの一歩になり、その一歩がまた別の挑戦につながれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

  

本記事の内容は、公開時点での内容のものです。
実際に導入を検討する際は、各製品・サービスの情報は、公式サイトのドキュメント等をご参照ください。

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