AIワークフローで進める社内改善と人材育成 ~テクニカルサポートに活かす生成AIの実践ヒント~ | Interop Tokyo 2026 参加レポート
Interop Tokyo 2026の2日目に参加させていただきました。今回の記事では、数あるセッションの中でも特に印象に残った「AIワークフローで社内改善と人材育成を進める」について、私の配属先のテクニカルサポート業務にどう活かせるかを、新入社員ならではの視点も交えながら振り返ります。
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セッション概要
今回、セッション「AIワークフローで進める社内改善と人材育成の実践 ― 意識させないAI導入で成果を上げる方法とは ―」 (FDX社) を聴講しました。このセッションでは、生成AIや業務自動化を導入する際に現場で起こりやすい、使われない一部の担当者に依存する、導入したのに定着しないといった課題に対して、現場負荷を抑えながら社内改善と人材育成を同時に進める方法が紹介されました。
n8n、Dify、Google Workspace Studio などのAIワークフローを活用しながら、業務をどう見直し、成果を出すにはどう進めるか、定着につながる教育をどう設計するかが整理されており、単なるツール紹介ではなく、業務に根づかせるための考え方が中心だったのが印象的でした。
エージェントを業務に合わせて組み合わせる発想
特に興味深かったのは、複数のAIエージェントに役割を分担させるという考え方です。検索、分析、レポート作成のように工程ごとに分けることで、ひとつのAIにすべてを任せるよりも、業務の流れを整理しやすくなると感じました。
この話を聞いて、AIにもチームプレーのような使い方があるのだと思いました。役割を分けることで、どの部分をAIに任せているのかが明確になり、運用もしやすくなります。新人の立場から見ても、業務を細かく分けてAIを配置する考え方は実践的だと感じました。「AIを使う」のではなく、「業務の流れの中にAIを置く」ことが重要だと思います。
「ループエンジニアリング」という考え方
もうひとつ印象に残ったのが、ループエンジニアリングという新しい考え方です。2026年6月にGoogleのエンジニアリングリーダーがブログで提唱し、世界中の開発者コミュニティに急速に広がりました。
これは、AIに毎回その場でプロンプトを入力して指示するのではなく、指示を出し続ける仕組みそのものを設計するという発想です。
従来の使い方では、人がプロンプトを書き、AIの返答を見て、次に何を指示するかを考える、という流れを何度も繰り返します。一方でループエンジニアリングでは、最初に目的を定義し、その目的に向かってAIが動き続けるような仕組みを作ります。 Run → Observe → Evaluate → Improve の改善サイクルを回しながら、AIを少しずつ育てていきます。
2024〜2025年は「プロンプトエンジニアリング」が注目を集めましたが、今後は「ループエンジニアリング」が新たなトレンドになるのではないかと、強い衝撃を受けました。AIを“指示する”段階から、“継続的に回しながら成果を出す”段階へ移っていく流れを、改めて実感させられました。こうした仕組みがあれば、人が毎回細かく指示しなくてもよくなり、業務の負担を減らしながら安定した運用につなげられるのではないかと思いました。
AI活用に必要なスキルの整理
セッションでは、AI活用に必要なスキルが段階的に整理されていた点が印象的でした。単なるプロンプトエンジニアリングだけでなく、コンテキスト、ハーネス、エンバイロメントまで含めて考える必要があるという説明は、とても勉強になりました。
私はこれまで、AI活用は「うまくプロンプトを書くこと」が中心だと思っていましたが、実際には、何を理解させるか、どんな環境で動かすか、安全にどう使うかまで設計する必要があると分かりました。AIを使う力は、質問力だけではなく、情報を整理し、前提をそろえ、安全に動かす仕組みを考える力でもあると感じました。

テクニカルサポート業務への活かす方法
今回の内容は、テクニカルサポート業務と非常に相性が良いと感じました。
なかでも特に業務に活かせると感じたのが、ループエンジニアリングの考え方です。例えば、AIにナレッジ検索(検索、候補抽出、類似度評価、追加検索、最終候補提示)のループや回答品質向上のサイクル(一次回答作成、技術レビュー、顧客向け表現レビュー、不足情報チェック、完成)を回すことによって、回答時間の短縮や品質の向上につなげることができます。
テクニカルサポートは「問題解決のための反復的な情報収集」が主になるので、ループエンジニアリングの考え方とは非常に相性が良い分野だと考えます。

まとめ
今回のセッションを通して、AI導入は派手な自動化を目指すことよりも、日々の仕事を少しずつ整えていくことが大切だと感じました。
「便利そう」で終わらせず、どの工程を助けると現場が楽になるのかを考える視点が特に印象に残りました。重要なのは、AIを単体で使うのではなく、業務フローや運用設計に組み込み、動き続ける仕組みとして活用することです。
新入社員の視点から見ても、AIは難しい技術というより、仕事の進め方を変える実践的な道具だと感じました。

