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SingleStoreとは? データ担当者のための「リアルタイム分析DB」入門 | SingleStore解説シリーズ①

「SingleStore」というデータベースをご存知でしょうか?本シリーズでは、SingleStoreを軸に、リアルタイム分析の考え方を解説していきます。第一回の今回は、「なぜ今、SingleStoreというデータベースが必要とされているのか」をご紹介します。

「ダッシュボードを開いても、出てくるのは昨日の数字ばかり。リアルタイムで確認したいのに、なぜかいつも数時間遅れている」——心当たりのある方は、少なくないはずです。「データ活用を強化したい」という声は強まる一方で、「システムが追いつかない」「基盤を変えるコストと時間が読めない」という現実も根強くあります。

こうした「リアルタイム性」と「分析性能」の両方を、1つのデータベースで両立させる存在として登場したのが、これから紹介するSingleStoreです。

 

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今、なぜデータベースが改めて話題になるのか

データ量は、増える一方です。ECサイトのアクセスログ、IoTセンサーの計測値、決済システムのトランザクション——これらが積み上がるスピードは、数年前とはもう比べものになりません。

経営サイドからは「リアルタイムで状況を把握したい」という声がどんどん大きくなっています。在庫の動き、顧客の行動、不正の兆候——どれも「昨日時点の集計」では間に合わない場面が増えてきました。

しかし多くの企業では、こんな現実があります。「夜間バッチで集計して、翌朝レポートを確認する」という運用です。担当者が「今すぐ数字を確認したい」と思っても、システムの制約で翌朝まで待つしかない——そんな状況が多くの現場で続いています。「今夜の予約状況は?」と聞かれて「明朝お伝えします」と答えるホテルのフロント、みたいなものでしょうか。

時代の要求と、今あるシステムの能力との間にギャップが生まれているわけです。これが、データベースが改めて注目されている背景です。

「意思決定が必要な瞬間に、必要なデータが手元にない」という状態が常態化しています。

従来の構成で何が起きているのか

多くの企業のデータ基盤は、こんな構成になっています。

この流れのどこかで「遅れ」が生まれます。ETLの実行タイミング、転送時間、処理待ちのキュー——これらが積み重なって、現場が見たい「今の数字」が数時間後にしか手に入らなくなります。宅配で言えば「配送センターを経由するたびに1日ずつ加算される」仕様です。荷物はいつか届く。でも今日中には来ない。

業務に使うトランザクションDB(アプリ側)と分析に使うDB(集計側)は、得意なことがまったく違います。

トランザクションDB(例: MySQL, PostgreSQL)

分析DB / DWH(例: BigQuery, Redshift)

強み

書き込み・更新が速い

大量データの集計が速い

弱み

大量集計が苦手

リアルタイムデータが届くまでに時間がかかる

主な用途

アプリ本体の読み書き

月次レポート・定期分析

「2つのDBを使い分ける」という構成は、それ自体は理にかなっています。ただ、「入ってきたデータをすぐ分析に使いたい」という要求が強まると、この分離がそのまま遅延の原因になってしまいます。金融機関のケースでは、市場データがトランザクションDBに入ってからレポートに反映されるまで6〜12時間かかることも珍しくなく、市場急変時のリスク再計算が追いつかないという課題も報告されています。

データはあるのに、今の状況が見えない」という状態が構造的に続くことになります。

リアルタイム分析を実現する仕組み

こうした課題に対して登場したのが、「書き込みと分析を1つのシステムで同時にこなす」という発想のデータベースです。業界ではこの仕組みを HTAP(ハイブリッド・トランザクション・アナリティカル・プロセッシング) と呼びます。

これにより、「データが入ってきた直後に分析クエリを実行する」ことができます。ETLの遅延が構造的に消えるので、「今の数字をリアルタイムで確認する」という要求にも応えやすくなります。おまけに、ETLパイプラインの構築・運用コストや、2つのDB間でデータ不整合が起きるリスクも下げられます。

「夜間バッチを待たずに、データが届いた瞬間から分析に使える」状態を作れます。

SingleStoreとは何か

SingleStore は、分散SQL(複数台のサーバーが協力して動くSQLデータベース)をベースにした、高速なデータ取込と大規模な分析処理を1つのシステムで扱えるデータベースです。もともとは MemSQL という名前で2011年に創業し、2020年に現社名へ。金融・通信・製造・リテールなど、幅広い業種の大手企業で本番導入が進んでいます。

そして目立つ特徴のひとつが Universal Storageといったアーキテクチャです。更新・参照が多いアプリ系の処理(行ストア)と、集計・分析に向いた処理(列ストア)、さらにベクトル・JSON・全文検索を、1つのエンジンでまとめて扱える仕組みです。アクセスパターンに応じてオプティマイザが自動で使い分けてくれるので、エンジニアが都度切り替えを意識する必要はありません。

これによって、次のような悩みが解決しやすくなります。

  • アプリ用DBはあるが分析が遅い → データ取り込み後すぐに可視化できる
  • DWHに送るまでタイムラグがある → ETLを待たずに大量データの集計ができる
  • システムが増えてデータが散らばる → ダッシュボードや監視・アラート用途を1つの基盤にまとめられる

「1つのDBで取り込みと分析を同時に賄える」設計が可能になります。

まず押さえたいポイント

SingleStoreは、すべてのケースに向いているわけではありません。シンプルなCRUD(データの作成・読取・更新・削除)アプリだけなら既存のDBで十分ですし、数年分の静的データを定期的に集計するだけなら従来のDWHの方が良いパターンもあります。

一方で、「リアルタイム性」と「分析性能」の両方が同時に求められる場面では、検討の価値が高くなります。たとえば大手投資銀行の事例では、リアルタイム取り込みへの切り替えによってバッチ処理時間が約80%短縮され、TCOが75%削減されたと報告されています。

「リアルタイム性と分析性能を同時に求められる現場」で、SingleStoreの特性が最もよく活きます。業種別の具体的なユースケースは第4回で詳しく紹介します。

おわりに

いかがでしたでしょうか。この記事では以下の点についてまとめました。
  • 従来の3層構成(トランザクションDB → ETL → 分析DB)には、リアルタイム性に構造的な限界がある
    ETLのタイムラグが積み重なり、データが届くまでの遅延が、意思決定のスピードをじわじわと下げていきます。
 
  • HTAPとは、書き込みと分析を1つのシステムでこなすDBカテゴリのこと
    ETLを介さずにリアルタイム分析ができる設計思想であり、運用コストとデータ不整合リスクの低減にもつながります。
     
  • SingleStoreはHTAP型DBのひとつ。金融・通信・製造・リテールなど幅広い業種で導入実績を持つ
    分散SQLをベースに、高速なデータ取込と大規模な分析処理を1つのシステムで扱える点が特徴です。

  

次のステップ

まず、自社のデータフローを図に起こしてみてください。「ETLのバッチ頻度」と「現場が求めるデータの鮮度」のギャップがどこで生じているか——その「遅延の正体」をつかむことが、次の一手を選ぶ判断軸になります。

 

次回予告

「トランザクションDBもETLもDWHも、ちゃんと作ってある。なのになぜリアルタイムの数字が出ないのか」——次回はこの問いに正面から向き合います。

ETLバッチの実行タイミングがデータの鮮度の上限を物理的に決めてしまう構造、鮮度を上げようとするほど運用コストと複雑さが膨らむジレンマ、そしてトランザクションDBに直接クエリを投げることがなぜ本番系へのリスクになるのか——3つの観点で「遅延の正体」を分解します。

自社のデータ基盤がどのパターンに近いか、照らし合わせながら読んでみてください。

SingleStoreについて詳しく知りたい方へ

JTP株式会社は SingleStore の国内販売代理店です。
「自社の課題に合うかどうか確認したい」「製品概要資料を見てみたい」という段階からご相談を受け付けています。
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本記事の内容は、公開時点での内容のものです。
実際に導入を検討する際は、各製品・サービスの情報は、公式サイトのドキュメント等をご参照ください。

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