AIが見て、考えて、動かす世界へ~AWS Builders' Fairで見たPhysical AIとAIエージェントの可能性~ | AWS Summit Japan 2026レポート
皆さんこんにちは、この記事では大盛況に終わったAWS Summit 2026に参加してきた模様をお伝えしたいと思います。
その中でも賑わっていたのはAWS Builders' Fair です。AWS Builders' Fairでは、AWS社員の方々がAWSを活用して作成したさまざまな展示を体験することができました。ブースでは、ただ説明を聞くだけではなく、実際にロボットが動く様子を見たり、AIエージェントとやりとりをしたりと、「見える」「触れる」「遊べる」展示が多く、会場を歩いているだけでもわくわくしました。
今回は特に、Physical AIを体感できたミニロボ展示と、AIエージェントと一緒に遊べるAI Game Forgeについて紹介します。

カメラが見て、AIが考え、ロボットが動くクラウドVLA

まず印象に残ったのは、クラウド経由のVLAで複数のミニロボを動かす展示です。卓上のフィールドをUSBカメラで俯瞰撮影し、Edge PC上のmap_parserが盤面の情報を読み取ります。その情報がAWS IoT Coreのtoio/mapに送られ、IoT Ruleを通じてAWS Lambda上のStrands Agentへ渡される構成になっていました。
Strands AgentはAmazon Bedrockと連携しながら、荷物やロボットの位置をもとに次の行動を考えます。さらにCBS Solverで経路の衝突を避けるように計算し、結果をtoio/waypointとして返します。最後はEdge PC側のwalkerがBLEでtoioを動かし、AIの判断が実際のロボットの動きにつながっていました。

実際のデモでは、三つの荷物が盤面にある場面で、それぞれ近いロボットが最短経路で取りに行こうとすると、ルートが交差してしまう状況がありました。そこで再探索が行われ、衝突しないように経路を考え直していました。単に「近いから取りに行く」のではなく、複数台が同じ空間で安全に動くために調整している点が凄いと感じました。

AWS社員の方にお話を伺うと、一番大変だったのはAIの部分よりも、物理的なハードウェアの設置や設定だったそうです。高度なAIを使うにも、カメラの位置やロボットが動く環境が整っていなければうまく動きません。AIに任せる時代になっても、そのAIが力を発揮できる前提を人間が整えることが大切なのだと感じました。
AIと議論して遊ぶ、AI Game Forge

次に体験したAI Game Forgeは、AIが約3分でマーダーミステリーという推理ボードゲームを生成し、その場でAIと一緒に遊べる展示です。テーマとキーワードのユーザ入力から、シナリオのテキスト、画像、音声、動画を生成し、AIエージェントがNPCとしてAmazon Bedrock Claudeを使い応答します。
私はテーマに「絶海の孤島」、キーワードに「毒」「密室」などを入力して生成してもらいました。

特に面白かったのは、AIエージェントと議論しながらゲームが進む点です。私が「Aという登場人物が怪しい」と発言すると、同じく犯人を見つける側のロールを持ったAIエージェントが、自分の持っている証拠を提示しながら同調してきました。AIがただ質問に答えるのではなく、与えられた役割やミッションに応じて会話に参加しているように見えました。
これまでのAIとのやり取りは、「人間が聞く、AIが答える」という一往復で終わるものが多かったように思います。しかしこの展示では、AIの発言によってこちらの考えも変わり、次に誰を疑うかを考え直すことになりました。AIと人間が互いに影響し合いながら体験を作っていく点が、とても新鮮でした。 このようなAIエージェントは、ゲームだけでなく、研修や接客練習、プレゼン練習のような場面でも活用できそうです。
技術面では、生成にAWS Step FunctionsやAWS Lambda、Amazon DynamoDBが使われ、リアルタイム議論にはAppSync EventsやSQS FIFOが使われていました。また、BedrockとOSS on EKSを用途に応じて使い分け、KEDAやKarpenterでGPUを使う時だけ動かす工夫も紹介されていました。楽しい体験の裏側に、速度やコストを意識した設計があることも学びになりました。


AIエージェントは、画面の中から体験の中へ
今回のAWS Builders' Fairを通して、AIに対する見方が少し変わりました。クラウドVLAの展示では、AIがカメラ画像から現実の物体を認識し、ロボットを動かすことで物質世界に変化を起こしていました。AI Game Forgeでは、AIエージェントの発言によって人間の思考や判断が変わり、ゲーム体験そのものが動いていきました。
どちらにも共通していたのは、AIがただ情報を返すだけではなく、現実や人間に働きかけている点です。AIが物を動かす。AIが会話を通して人の考えを変える。そう考えると、AIエージェントは画面の中の便利な機能から、私たちの体験の中に入り込む存在へ変わり始めているのだと思います。
AIが変え始めている現実世界、その変化に取り残されないよう、私自身もAIとともに成長していきたいです。

